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【自動車燃費表記】「WLTC モード」と「JC08 モード」どう違う?なぜ実燃費と違うのか?テスト走行パターン比較

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JC08からWLTCへ燃費の表記が変わります

燃費の表記が国際的な試験法である「WLTC モード」という燃費表記に変わります。というかもうすでに変わっています。従来のJC08と比べ「市街地」、「郊外」、「高速道路」といった走行モード別に燃費が記載されていますが一体何が変わったのか詳しく説明していきたいと思います。

欧州、インド、日本、韓国、米国の実走行データを元にWLTCが策定

従来燃費の計測方法は各国で決められて、排ガス・燃費の試験サイクル・試験方法は各国や地域が独自に設定されていました。このためメーカーが各国で自動車の認証を取得するためには、国・地域毎に異なる方法で試験する必要がありました。一度の試験で複数の国・地域での認証に必要なデータを取得可能とするため国際的な試験方法であるWLTCが導入されました。

「WLTC」と「WLTP」の違いについて

WLTCの他にWLTPという言葉も聞きますが違いを説明したいと思います。まずそれぞれの略ですが

「WLTC」は「Worldwide-harmonized Light vehicles Test Cycle

「WLTP」は「Worldwide harmonized Light vehicles Test Procedure

「Cycle」と「Procedure」の違いですね。

「WLTP」は燃費試験法について、「WLTC」はより詳細な試験方法を示しています。

「市街地」、「郊外」、「高速道路」の3つのモード別に燃費表示

今までの燃費カタログに表示されていたJC08モードでは燃費は一つしか記載されていませんでしたがWLTCモードになってからは「市街地」、「郊外」、「高速道路」の3つのモード別と全体の平均値が燃費表示されます。これでストップ、ゴーを繰り返す市街地、比較的速度が出しやすい郊外、そして高速道路の燃費がわかるようになります。

トヨタ、日産、ホンダ、マツダ 各社のWLTC対応状況

トヨタ プリウス

プリウスはWLTCの燃費表記を行っていないようです。HPを見ても記載されていませんね。WLTCはエコカーにとってあまり有利ではないので乗せたくない気持ちもわかないでもないですが。モデルチェンジ後には表記されると思います。カローラ スポーツ、シエンタ、RAV4、86は記載がありますね。

日産

リーフ e+(イープラス)で初めてWLTCの燃費表記をおこなっています。GT-RもWLTP表記ありです。

ホンダ

割と積極的ですね。オデッセイ、ステップワゴン、CR-V、インサイト、SHUTTLEでWLTC表記ありです。

マツダ

マツダは他社に先駆けWLTCモード燃費を発表しているだけありほぼ全機種でWLTC表記ありです。

 

燃費はどうやって測定している?

自動車の燃費は各国に応じて走行モードパターンが設定されておりその走行パターンをシャシダイナモというローラー台の上で走行し排ガスを採取し、含まれる一酸化炭素(CO)、二酸化炭素(CO2)、炭化水素(HC)、窒素酸化物(NOx)物質から燃費計算式によって求められます。

野外で道路を走行して燃費を測定しているわけでなく風、温度、湿度など様々な影響を受けにくい室内で測定されています。

http://www.jari.or.jp/tabid/137/Default.aspx

走行パターンをアクセルとブレーキだけを操作して走行

シャシダイナモで走行する際各モードに沿った走行パターンで走行します。シャシダイナモ上で走行しますので左右に曲がることはできませんのでハンドルは使用せずにアクセルとブレーキだけを操作して走行します。

運転者はモニターに映し出される走行モードパターンに沿ってアクセル、ブレーキを操作します。この際、操作ミスで走行パターンからはみ出ることがありますが大きくはみ出てしまうとNGとなり再度走行テストが必要になります。どの程度許容されるかは走行モードで定められています。

JC08モードとは? 走ってみました

2011 年4 月以降に型式指定を受ける自動車からJC08モードという燃費測定法が義務図けられました。それ以降は10・15というモードで測定していましたが気象条件や渋滞等の使用環境や、急発進、エアコン使用などの運転方法を想定したJC08モードに移行しました。走行パターンをみると分かるのですが10・15モードに比べてJC08は走行パータン自体が複雑になり全体の走行時間も倍程度増えています。今回の国際基準のWLTC移行ではさらに実走行に沿った走行で測定されます。

国土交通省 資料

JC08モードでは走行パターンを見るとストップ、ゴーの頻度が高く停止している時間が割と長いです。これは日本の道路事情を反映した走行モードとなっていると考えられます。最後の方には高速道路を想定していると思われるパターンが短い時間ですがあります。JC08ではホットと呼ばれるエンジンが温まっている状態の走行データとコールドと呼ばれるエンジンが冷えている状態の走行データを合わせて(割合はコールド25%、ホット75%)して燃費を算出しています。これはエンジンの温度で排出される排ガスの物質が大きく変わる為、(冷えている状態では炭化水素(HC)、窒素酸化物(NOx)物質が多く排出して燃費が低下)平均的な値を出すために用いられています。

なぜJC08は実走行より燃費が良くなるか?

実は私も何度かJC08モードを走ったことがあるのですがパターンを見てもわかる通り結構停止していることが多いです。最近の車だとアイドリングストップしてエンジンそのものが停止しますので燃費は伸びます。この停止時間の長さが実際の走行の燃費と乖離する一因だと個人的には思います。

あとは、JC08ではエンジンが冷えている状態での測定より温まっている状態の割合がコールド25%、ホット75%と大きい為、比較的燃費が良くなるのでは?と考えます。

WLTCモードの走行パターンは?

WLTCの走行パターンを見てみましょう。Lowが市街地、Mediamが「郊外」、Highが「高速」、Exhighが「超高速」フェーズです。

最後の「超高速」フェーズは欧州、北米だけで使用されており、日本では使用されません。「超高速」フェーズを走っているところを見たことがありますが最高速度は140km近くになりシャシダイナモ上で走る車を冷やすための送風機はフル回転で近くにいると恐怖を感じます。

燃費がJC08モードより実走行に近い理由

走行パターンが複雑化

JC08の走行パターンと比べてアップダウンが激しく、停止状態の時間が短いことがわかります。全体を通じて速度も上がっています。このことから排出される排ガス濃度も上がりJC08モードに比べて燃費は低くなると考えられます。

エンジンが冷えた状態で測定

JC08と異なりWLTCではエンジンが冷えたコールドスタートで測定が行われます。エンジンが冷えた状態だと炭化水素(HC)、窒素酸化物(NOx)物質が多く排出され燃費が低下につながります。

車両重量増加

JC08では車両重量は車両重量+110kg(2名乗車)となっていましたがWLTCでは車両重量+100kg(1名乗車+手荷物)+積載可能重量の15%となっており車両重量は増えると考えられます。その為、燃費が低下する傾向になります。

まとめ

WLTCが燃費表記として使われだして少し経ち、徐々に浸透しつつありますが、まだJC08と併記しているカタログも多いですね。JC08に比べてWLTCは2,3割燃費が悪くなりますがより実走行値に近づいていると思います。JC08に比べて燃費が悪くなるか走行パターンを見ると納得できると思います。

今後EVやハイブリッドが当たり前になってくると思いますが燃費(電費?)の表記もそれに合わせて変わっていくのではないかと思います。

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